夫の継続的な不貞行為を発見した依頼者において、相手方を特定のうえ、損害賠償請求をした事案。なお、不貞相手より、依頼者の事実関係の聞き取りの過程において精神的損害を被ったとして、逆に損害賠償請求がなされた事案
依頼者の夫は、仕事の関係で知り合った独身女性と不貞関係に至ったが、それが依頼者に発覚した後、不貞相手とされる女性は、依頼者が不貞相手の女性から詳細な事実関係を聞き取る過程において脅迫行為があったと主張するに至り、損害賠償を主張する等して、依頼者の損害賠償請求について争っていた。また、相手方は、求償権(相手方から依頼者の夫への求償権の行使)を踏まえた一括解決を主張するほか、既に夫婦間における示談解決があったと主張(つまり、依頼者の損害は既に弁済されている可能性があるという趣旨の主張である)するに至り、慰謝料の支払い自体を争うほか、請求したその具体的金額についても争うに至った事案である。
当事務所弁護士が受任し、相手方との交渉過程では、
①そもそも、依頼者の夫婦間における示談の事実は不存在であることを丁寧に説明したほか、
②求償権行使の予定を踏まえた解決を依頼者において強制されるいわれがないことを主張し、上記を理由とした相手方の減額交渉に応じませんでした。
それから、相手方の主張する損害賠償請求の発生原因について、丁寧に精査したうえ、相手方の主張する請求が法的に成り立たないものであることを詳細に説明しました。
加えて、相手方の主張する損害の内容が具体性に欠き、やはり、損害の発生の主張として不適当である旨を説明してあるべき解決に至るよう努力しました。
その結果、弁護士が冷静に交渉を続けたところ、相手方が自身の言い分に法的根拠のないことを理解した為か、結果的には、相手方が主張する損害賠償請求は否定されることを前提として、金100万円の損害賠償を支払う旨の解決に至りました。
なお、その解決内容としては、上記賠償のみならず、今後の接触禁止条項も加え、さらには、かかる接触禁止条項に違反した場合の違約金も設定したうえでの解決までたどり着くことができました。
このように、不貞の事案では、相手方であっても感情的になることはあります。大切なのは、感情に流されることなく、冷静沈着に、依頼者や相手方の言い分を整理し、法律に当てはめて結論を導くことにあります。
また、依頼者の強い考え、意思を尊重したうえ、事案に応じた解決策を模索することが重要であることを改めて考えさせられた事案といえます。