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面会交流の実施を促すことで離婚が成立した事例

相談背景

慰謝料

 依頼者(妻)は,相手方(夫)と婚姻してから数年間同居生活をしていたものの,性格の不一致等を理由に,子を連れて別居するに至る。別居後1年半程度経過し,依頼者から離婚調停を起こしたが,相手方は,子の親権を依頼者に帰属させることや面会交流の内容に不満を持ち,調停では話し合いがつかず,調停が不成立となった事案。

弁護士対応

 本事案は,既に別居してから1年半程度経過していたことから,直ぐに,離婚裁判を提訴しました。離婚裁判を提訴してから間もなく,相手方から面会交流の調停が起こされたため,離婚裁判と面会交流の調停を並行して進めていくことになりました。
 本事案における問題の根底は,別居後,相手方が子と全く会えていない状況が続き,相手方と子との関係性が断絶されていることにあり,それにより,相手方が親権等を争うに至ったものと考えられました。
 そこで,まずは,裁判では,依頼者と子との関係性は良好で,生活環境にも特段問題が見当たらないことを強く主張して親権の帰属を争うとともに,一方で,面会交流の実施し,相手方と子との関係性が構築できるよう配慮することにより,問題の解消を図りました。

結果

 そうしたところ,相手方の態度に徐々に変化が表れ,最終的には和解によって離婚が成立しました。
 子を監護している母親にとっては,離婚が成立していない段階において,子を父親に会わせることについて,かなりの拒否感を持つ場合が多く,それ自体,心情的に理解できる部分はあるものの,子を会わせないことによって,さらなる感情的な対立が生み出され,結果,紛争が長期化することがあります。
 本事案においても,当初,依頼者(母親)の拒否感が強く,面会交流に前向きではありませんでしたが,問題の根底が子に会えていないことであり,早期解決には面会交流の実施が必須であることを根気強く説明し,面会交流の実施を促すという場面が多々ありました。
 離婚は,夫婦間の感情の対立が最も先鋭化する場でありますが,双方の感情の調整を図ることも早期解決に至るための一つの鍵となるといえます。

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