相手方のモラハラを主張立証することで離婚が認められた事例
相談背景
夫(依頼者)は,妻(相手方)と婚姻をし,3人の子供にも恵まれたが,相手方のモラハラ言動が著しく,依頼者が自宅を出て別居に至る。その後,依頼者は,相手方との離婚を求めて,離婚調停を起こしたものの,相手方が離婚を拒否したため,離婚裁判に移行したが,第一審,控訴審ともに離婚原因が認められないとして敗訴した。それから半年程度経過し,依頼者が,再度,離婚を求めて弊所に依頼したという事案。
弁護士対応
依頼者は,相手方のモラハラ言動を原因として,うつ病に罹患していたが,前訴の離婚裁判では,その点について十分に主張立証がなされていなかったため,心療内科のカルテ等の記録を取り寄せ,それを証拠として離婚裁判を提訴しました。離婚裁判では,別居期間とうつ病に罹患していた点を斟酌して,離婚原因が十分に認められるとの裁判所の心証が得られました。
結果
その結果,相手方としても,離婚自体を争うことを諦め,早期に和解が成立し,離婚することが出来ました。本事案は,前訴の時点においても,別居期間が3年近く経過しておりましたが,離婚原因として,別居期間の経過のみに焦点を置いて主張を展開していたため,敗訴となったものと思料されます。確かに,別居期間の経過は,婚姻関係が破綻していることを基礎づける大きな事情にはなり得ますが,相手方が離婚を強く拒否しているケースにおいては,別居期間の経過のみでは離婚原因として不十分であると判断される場合があります。本事案はその典型例であり,そのような場合においては,別居期間の経過のみならず,他の離婚原因を十分に主張立証していく必要があります。