夫（依頼者）の妻が、妻の職場の同僚と不貞をしていたという事案

弁護士対応

　本事案は、妻が、自身の職場の同僚と不貞行為に及んでおり、その期間は２年にも亘っておりました。不貞相手は、当初より、不貞行為自体は認めていたものの、夫が妻との間で、離婚も別居もしていない状態にあったことから、慰謝料金額としては５０万円の提示をするのみで、それ以上の金額に応じようとはしませんでした。
　そこで、慰謝料金額を評価する事情として、具体的な不貞行為の態様を詳らかに主張しました。本事案では、不貞相手と妻は、車中、不貞相手の自宅、ラブホテルなど、所構わず、肉体関係に及び、その頻度も週に１～２回程度と高い頻度であったこと、また、不貞行為中、夫は幼い子の監護に従事しており、その一方で、妻は夫に対し仕事で帰宅が遅くなるなどと虚言を弄し、２年にも亘って、夫を欺き続けていたことなどの事情をもって、夫が著しい精神的苦痛を被ったことを基礎づけました。

結果

　その結果，不貞相手は、最終的に、１２５万円の慰謝料を支払うことにより、示談が成立しました。
　一般に、不貞の事案では、夫婦間が別居をしているかどうか、離婚が成立しているかどうかを慰謝料の評価事情とすることが多いですが、単に、その事実のみをもって、被害者が受けた精神的苦痛の程度を評価することは、余りに抽象的な議論であります。被害者が受けた精神的苦痛の重さは、不貞行為が発覚した結果、実際に被害者が直面することとなった不貞行為の態様を抜きには語ることができないはずです。本事案は、被害者が受けた精神的苦痛の重さについて、真向から向き合ったことにより、上記した結果を得ることができたものであります。