離婚約1年後、相手方が依頼者に対し、財産分与を求めて、調停の申立てをしたという事案
相談背景
元夫(依頼者)は,元妻(相手方)と協議離婚をしたところ、その約1年後、相手方が依頼者に対し、財産分与を求めて、調停の申立てをしたという事案。なお、依頼者は会社経営者であり、相手方は、依頼者が保有する株式や会社が保有する財産を財産分与として求めたもの。
弁護士対応
本件での争点は、まず、相手方が財産分与として求めている財産が夫婦共有財産に該当するか否か、という点でした。
この点、依頼者は、婚姻前に会社を設立しており、保有する株式は婚姻前に取得しておりますから、会社の株式は、原則として夫婦共有財産に該当しないこと、
また、依頼者と相手方は、婚姻後、同居生活をした事実がなかったことから、相手方の会社の経営に対する寄与が一切ないことを主張しました。また、会社が保有する財産については、財産の取得経緯について資料をもとに詳細な主張を行い、依頼者個人ではなく、会社が取得した事実の立証を尽くしました。
その他、上記したとおり、依頼者と相手方との間には、同居生活の事実がなかったことから、相手方に財産形成の寄与が一切なく、依頼者個人の財産についても、財産分与を認めるべきではない、との主張をしました。
結果
その結果,裁判所は、依頼者の主張を認め、相手方が財産分与を求めていた、株式や会社が保有する財産につき、夫婦共有財産ではないと認定した上、婚姻期間中における相手方の財産形成への寄与が一切ないことから、依頼者個人の財産についても財産分与を認めるべきではない、との判断を下しました。
財産分与は、夫婦の共助を内実とする共同生活の実態を前提として、夫婦の一方の名義の財産であっても、他方の貢献度を考慮し、財産の分与を認めるという制度でありますから、その実態がなければ、そもそも、財産分与自体観念できない、ということを率直に認めた事案であり、先例的価値が高いものと言えます。
また、会社が保有する財産については、名義がはっきりしないものではありましたが、各種資料を揃え、取得経緯を詳細に主張立証することにより、夫婦共有財産からの峻別をすることが出来ました。


